この記事の要点
全筆求積は、分筆後の全ての土地を実測・求積する方法で、現在の原則です。
残地求積は、一方だけ実測し、残りの土地(残地)は元の登記地積から差し引いて求める方法です(残地は実測しない)。
平成17年施行の新しい不動産登記法で、残地求積は原則できなくなり、全筆求積が原則になりました。
全筆求積とは、分筆後のすべての土地を実測して面積を求める方法です。
これに対して、残地求積とは、分筆する一方の土地だけを実測・求積し、残りの土地(残地)は元の登記地積から差し引いて求める方法です。
どちらも分筆のときの地積(面積)の求め方ですが、残地を実測するかどうかが大きく違います。
残地求積では、分筆する部分の土地だけを測量・求積します。残った土地(残地)は実測せず、分筆前の登記地積から、実測した部分の面積を差し引いて地積とします。
このため、残地の地積は正確とは限りません。元の登記地積がもともと誤っていれば、その誤差がそのまま残地に残ってしまいます。
全筆求積では、分筆後のすべての土地を実測して、それぞれの面積を求めます。残地も含めてきちんと測るため、地積が正確になります。
分筆の地積測量図には、原則として分筆後の全ての土地の求積方法を記録することとされています(不動産登記規則78条)。
かつては残地求積が広く使われていましたが、平成17年施行の新しい不動産登記法(規則)で、残地求積は特別の事情がある場合に限られ、全筆求積が原則になりました。
そのため、古い時代に作られた「残地求積」の地積測量図は、残地の面積が不正確なことがあります。古い残地求積図しかない土地では、分筆の前提として地積更正が必要になることもあります。
| 項目 | 全筆求積 | 残地求積 |
|---|---|---|
| 測量する範囲 | 分筆後の全ての土地 | 一方のみ(残地は実測しない) |
| 残地の地積 | 実測で正確 | 差し引きで求める(不正確なことがある) |
| 現在の扱い | 原則 | 特別の事情がある場合のみ |
残地求積は、古い地積測量図との関係で出てきます。
令和6年度(午後の部)第21問(土地の記述式)でも、昭和50年に作られた「残地とする地積測量図」が登記所の備付資料として登場しました。現在は全筆求積が原則であること、古い残地求積図は残地の地積が不正確なことがある点を押さえておくと、資料の読み取りに役立ちます。
Q. 残地求積では、残地も含めて分筆後の全ての土地を実測して面積を求める。○か×か。
×。残地求積は一方だけ実測し、残地は元の登記地積から差し引いて求めます。残地は実測しません。
Q. 現在は、分筆の際は原則として全筆求積を行う。○か×か。
○。平成17年施行の新しい不動産登記法(規則)で、全筆求積が原則になりました。残地求積は特別の事情がある場合に限られます。
Q. 古い残地求積の地積測量図でも、残地の地積は常に正確である。○か×か。
×。残地は実測せず差し引きで求めているため、元の登記地積の誤差がそのまま残り、不正確なことがあります。
全筆求積は分筆後の全ての土地を実測する方法で現在の原則、残地求積は一方だけ実測し残地は差し引く方法で特別の事情がある場合に限られます。
古い残地求積図は残地の地積が不正確なことがあり、分筆の前提として地積更正が必要になる場合もあります。
参考にした資料
・不動産登記規則(分筆の地積測量図・全筆求積/第78条ほか)/平成17年施行の新不動産登記法による残地求積の制限について、土地家屋調査士・登記関連の解説で確認
・令和6年度 土地家屋調査士試験 午後の部 第21問(土地の記述式・残地とする地積測量図)/法務省 公式問題
※取扱い・例外(特別の事情)は法令・通達によります。最新の不動産登記規則・準則は法務省・e-Govでご確認ください。内容確認日:2026年6月13日。
まちがえやすいポイント
現在は、分筆の際は原則として全筆求積で、残地求積は特別の事情がある場合に限られます。古い残地求積の地積測量図は、残地が実測されておらず面積が不正確なことがあります。「残地求積図がある=地積が正確」と考えないようにしましょう。