この記事の要点
複素数を使うと、X座標・Y座標をX+Yi という1つの数として扱えます。
打鍵数が減って計算が速く・正確になり、2点間の距離は差の絶対値、方向角は差の偏角で求まります。
複素数は「計算方法」ではなく「表示方法」で、答えは通常の計算と同じです。記述式(土地)の時短に役立ちます。
複素数を使った座標計算とは、点の座標(X, Y)を X+Yi という1つの数で表して計算する方法です。
土地家屋調査士の記述式(土地)では、座標から距離・方向角・面積(求積)を何度も計算します。このとき複素数を使うと、計算がぐっと楽になります。
複素数を使う主なメリットは次のとおりです。
①X・Yを1つの数で扱える:座標を X+Yi とまとめて入力でき、電卓のメモリも節約できます。
②速く・正確になる:X と Y を別々に計算する手間が減り、打鍵数が少なくなるぶん、時間が短縮され、ミスも減ります。
③距離・方向角がすぐ出る:2点間の距離は2点の差の絶対値、方向角は2点の差の偏角として求まります。緯距・経距を別々に出さなくても済みます。
④三角関数の理解が浅くても解ける:sin・cos の意味を深く理解していなくても、電卓の複素数モードの操作を覚えれば、座標計算を進められます。
注意したいのは、複素数を使っても答えそのものは通常の計算と同じだということです。
複素数は、計算の中身を変える「魔法」ではなく、座標を1つの数で表す「表示方法」です。内部でやっている計算は通常と変わりません。速く・正確に処理できるのがメリットだと理解しておきましょう。
複素数計算には、複素数モードのある関数電卓を使います。
ただし、土地家屋調査士試験ではプログラム機能のある電卓は使用できません。複素数モードを備えた、プログラム機能のない関数電卓(カシオの FX-JP500・FX-JP900 など)を選びます。
なお、座標計算の土台となる三平方の定理や三角関数・座標の基礎は、姉妹分野の測量の基礎計算で確認できます。本サイトでは、それらを使った記述式での解き方に重点を置いています。
Q. 複素数を使うと、X座標とY座標を X+Yi という1つの数として扱える。○か×か。
○。2つの座標値を1つの数にまとめられるため、入力や計算が減り、速く正確になります。
Q. 複素数を使うと、通常の計算とは違う特別な答えが得られる。○か×か。
×。複素数は「表示方法」で、答え自体は通常の計算と同じです。速く正確に処理できるのがメリットです。
Q. 複素数モードがあれば、プログラム機能のある電卓でも試験で使用できる。○か×か。
×。プログラム機能のある電卓は使用できません。複素数モードを備えた、プログラム機能のない関数電卓を使います。
複素数は座標(X, Y)を X+Yi という1つの数で表す表示方法で、記述式の座標計算を速く・正確にします。距離は差の絶対値、方向角は差の偏角で求まります。
答えは通常計算と同じなので、「速く正確に処理する道具」として、使える関数電卓で操作に慣れておきましょう。
参考にした資料
・土地家屋調査士の記述式における複素数計算のメリット(座標を1つの数で扱う・速く正確・表示方法であること)について、受験予備校・解説サイトで確認
・使用できる電卓(プログラム機能のある電卓は不可)/法務省 令和6年度 土地家屋調査士試験 午後の部 注意事項
※使用できる電卓の条件は試験要項で必ず確認してください。内容確認日:2026年6月13日。
まちがえやすいポイント
複素数モードがあっても、プログラム機能のある電卓は試験で使えません。使える電卓かどうかを必ず事前に確認しましょう。また、複素数は答えを有利にする魔法ではなく、速く正確に計算するための「表示方法」だと押さえておくと、過度な期待で混乱せずに済みます。