令和5年度(午後の部)第2問は、民法の物権的請求権に関する判例問題です。所有権移転時期の特約がない場合の引渡請求、未登記での明渡請求、占有補助者の退去、共有者単独の妨害排除、返還請求権の消滅時効が問われました。正しいものの組合せを選びます。
物権的請求権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア Aが甲土地の所有者Bから甲土地を買った場合において、AB間の売買契約上、甲土地の所有権の移転時期に関する特約がないときは、Aは、当該契約締結後直ちに、Bに対して所有権に基づき甲土地の引渡しを請求することができる。
イ Aが甲土地の所有者Bから甲土地を買った場合において、甲土地について、BからAへの所有権の移転の登記がされていないときは、Aは、甲土地を占有する無権利者Cに対して甲土地の明渡しを請求することができない。
ウ Aが甲土地を所有し、その旨の登記がされている場合において、無権利者Bが甲土地上に乙建物を建て、占有補助者であるCと共に居住しているときは、Cを建物から退去させるためには、Aは、Cに対し、乙建物から退去して甲土地を明け渡すことを請求しなければならない。
エ A及びBが甲土地を共有している場合において、無権利者Cが甲土地に産業廃棄物を不法投棄したときは、Aは、単独で、Cに対して当該産業廃棄物を撤去するよう請求することができる。
オ 所有権が時効によって消滅することはないが、所有権に基づく返還請求権は時効によって消滅する。
出典:法務省ウェブサイト「令和5年度(2023年)土地家屋調査士試験問題」(午後の部 第2問)/正解は法務省公表の正解による
売買で所有権の移転時期に特約がなければ、所有権は契約成立時に買主へ移り、買主は直ちに引渡しを請求できます。また、共有物に対する妨害(不法投棄など)の排除は、各共有者が単独で(保存行為として)請求できます。対抗要件や共有の基本は下の関連記事へ。
参考にした資料
※取扱いは変更されることがあります。最新の法令をご確認ください。内容確認日:2026年6月13日。正解は法務省公表の正解(午後第2問=1)によります。
正解:1(ア・エが正しい)
物権的請求権に関する判例の問題です。