独学で学ぶ土地家屋調査士

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境界標の設置と費用|設置・保存は折半、測量は広狭に応じて(民法223条・224条)

この記事の要点

土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができます(民法223条)。

費用の負担は2種類に分かれます。境界標の設置・保存の費用は相隣者が「等しい割合」(折半)、測量の費用は土地の「広狭に応じて」分担します(224条)。

ここでいう境界は、土地の所有権界を示すものです。公法上の筆界とは概念が異なる点にも注意します。

隣り合う土地の所有者どうしの関係(相隣関係)の一つに、境界標の設置があります。調査士の業務とも関わりの深いテーマなので、設置できる根拠と費用の分担を整理しておきましょう。

境界標は共同の費用で設けることができる(223条)

民法223条は、土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができると定めています。境界標は、土地の境界を現地で示すための標識です。隣地所有者と協力して設置できる、というのがこの条文の内容です。

費用の負担=設置・保存は折半、測量は広狭に応じて(224条)

費用の負担は、民法224条が次のように定めています。ここが試験の狙いどころです。

費用の種類負担の割合
境界標の設置・保存の費用相隣者が等しい割合(折半)
測量の費用土地の広狭に応じて分担
土地A 土地B(広い) 境界標 設置・保存=等しい割合/測量=広狭に応じて
模式図:境界標は共同で設置。設置・保存の費用は折半、測量の費用は土地の広狭(面積)に応じて分担する。

つまり、境界標そのものを設置・保存する費用は等しく折半しますが、測量の費用は土地の広い・狭いに応じて分担します。広い土地の所有者ほど測量の費用を多く負担する、というイメージです。「設置・保存=折半/測量=広狭」と区別して覚えましょう。

ここでの「境界」は所有権界

民法の相隣関係でいう境界は、土地の所有権界(私法上の、所有権の及ぶ範囲の境)を指します。これは、登記された一筆の土地の範囲を画する公法上の筆界とは概念が異なります。境界標が所有権界を示していても、それが必ず筆界と一致するとは限りません。筆界をめぐる争いは、筆界特定制度や境界確定訴訟で扱われます。

まちがえやすいポイント

費用負担の「設置・保存=等しい割合(折半)」と「測量=広狭に応じて分担」を取り違えないようにしましょう。すべて折半ではありません。また、ここでの境界は所有権界であり、登記の筆界とは別の概念です。境界標があるからといって、そこが当然に筆界になるわけではありません。

過去問・学習のポイント

相隣関係のうち境界標の設置は、費用負担のルール(設置・保存は等しい割合、測量は広狭に応じて)を問う形で出題されます。調査士の境界・筆界のテーマともつながるので、「民法上の境界(所有権界)」と「登記の筆界」の違いとあわせて押さえておくと、知識が混乱しません。

理解度チェック

Q. 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で境界標を設けることができる。○か×か。

○。民法223条により、隣地の所有者と共同の費用で境界標を設けることができます。

Q. 境界標の設置・保存の費用も、測量の費用も、いずれも土地の広狭に応じて分担する。○か×か。

×。設置・保存の費用は相隣者が等しい割合で負担し、測量の費用だけが土地の広狭に応じて分担します(224条)。

Q. 民法の相隣関係でいう境界は、登記された一筆の土地の範囲を画する筆界と必ず一致する。○か×か。

×。民法でいう境界は所有権界で、公法上の筆界とは概念が異なり、必ず一致するとは限りません。

まとめ

境界標は隣地所有者と共同の費用で設けることができ(223条)、設置・保存の費用は相隣者が等しい割合、測量の費用は土地の広狭に応じて分担します(224条)

「設置・保存=折半/測量=広狭」の違いと、ここでの境界が所有権界であることを押さえておきましょう。

参考にした資料

・民法223条(境界標の設置=土地の所有者は隣地の所有者と共同の費用で境界標を設けることができる)、224条(境界標の設置及び保存の費用は相隣者が等しい割合で負担、ただし測量の費用は土地の広狭に応じて分担)を条文で確認

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

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土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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