独学で学ぶ土地家屋調査士

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区分建物の独立性|構造上の独立性と利用上の独立性の違い

この記事の要点

一棟の建物の一部を区分建物(専有部分)として登記するには、構造上の独立性利用上の独立性の2つが必要です。

構造上の独立性は「壁・床・天井で区分されている」こと、利用上の独立性は「独立した出入口で、独立して使える」ことです。

両方そろって初めて区分建物になります。片方だけでは登記できません。

区分建物とは、一棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居・店舗などの用途に使える部分(専有部分)を、独立した1個の建物として登記したものです。

区分建物になるための要件が、構造上の独立性と利用上の独立性です(建物の区分所有等に関する法律=区分所有法)。

名前が似ていますが、見ている点が違います。順番に整理します。

2つの独立性とは

構造上の独立性とは、壁・床・天井などで他の部分と区分され、その範囲が明確であることです。周囲が完全に遮断されていなくても、隔壁や階層で区切られて範囲がはっきりしていれば認められます。

利用上の独立性とは、その部分だけで独立して用途(住居・店舗など)に使えることです。独立して使うには、ほかの専有部分や階下を通らずに直接外部に通じる出入口が必要になります。

2つが建物のどこを見ているのかを図で整理します。

構造上の独立性 (壁・床・天井で区分) 区画 区画 仕切られて範囲が明確 利用上の独立性 (独立の出入口で使える) 外へ 独立して出入り・利用できる
区分建物(専有部分)になるには、壁・床・天井で区分された「構造上の独立性」と、独立した出入口で独立して使える「利用上の独立性」の両方が必要。※構造をイメージした模式図です。

2つの違いを比較

同じ「独立性」でも、見ているポイントが違います。

項目 構造上の独立性 利用上の独立性
見ている点区切られているか(範囲の明確さ)独立して使えるか(用途・出入口)
具体的に壁・床・天井などで他と区分直接外部に通じる出入口があり独立利用できる
欠ける例間仕切りがなく範囲が不明確階下や屋外廊下を通らないと出入りできない

区分建物になるには、この2つの両方が必要です。片方だけでは専有部分になりません。

過去問での問われ方

2つの独立性は、択一でも記述式でも問われます。

令和6年度(午後の部)第22問(建物の記述式)では、屋外廊下で隔てられた部分について、2階部分は壁・屋根・床があり構造上の独立性は認められるものの、出入りに屋外廊下を使わなければならないため利用上の独立性を欠き、その部分だけを1個の区分建物として登記できない、という判断が問われました。結論として、全体を1個の建物として登記します。

混同しやすい用語の整理

「専有部分」と「共用部分」

専有部分は、構造上・利用上の独立性を満たし、区分所有権の対象となる部分(各住戸など)です。共用部分は、廊下・階段・エントランスなど、区分所有者が共同で使う部分です。屋外廊下や階段は共用部分にあたるため、そこを通らないと出入りできない部分は利用上の独立性を欠きます。

まちがえやすいポイント

構造上の独立性があっても、利用上の独立性がなければ区分建物になりません。壁・床・天井で区切られていても、独立した出入口がなく階下や屋外廊下を通らないと使えない部分は専有部分になりません。「区切られている=区分建物」と早合点せず、独立して出入り・利用できるかまで確認しましょう。

理解度チェック

Q. 構造上の独立性があれば、利用上の独立性がなくても区分建物として登記できる。○か×か。

×。区分建物(専有部分)には構造上の独立性と利用上の独立性の両方が必要です。片方だけでは登記できません。

Q. 階下の部屋を通らないと外に出られない、屋上に増築した部分は、専有部分(区分建物)になる。○か×か。

×。直接外部に通じる独立した出入口がなく、利用上の独立性を欠くため、専有部分にはなりません。

Q. 構造上の独立性は、周囲が完全に遮断されていなくても、隔壁や階層で区切られ範囲が明確であれば認められる。○か×か。

○。完全な遮断までは必要なく、他の部分と区分され範囲が明確であれば構造上の独立性が認められます。

まとめ

区分建物(専有部分)には、構造上の独立性(壁・床・天井で区分)と利用上の独立性(独立の出入口で独立して使える)の両方が必要です。

とくに「構造上は独立していても、利用上の独立性を欠けば区分建物にならない」点が、択一でも記述式でも狙われます。

この論点が出題された過去問

この論点が問われた過去問の解説です(新しい年度から順)。

参考にした資料

・建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)第1条・第2条/不動産登記法(区分建物の登記)

・令和6年度 土地家屋調査士試験 午後の部 第22問(建物の記述式)/法務省 公式問題

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

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独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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