この記事の要点
地図訂正とは、地図や地図に準ずる図面(公図)に表示された土地の区画・位置・形状・地番に誤りがあるときに、それを正す手続です(不動産登記規則16条)。
土地の表題部所有者・所有権の登記名義人やその相続人等が「地図訂正の申出」をすることができ、登記官が職権で訂正することもできます。
地図訂正は、土地の区画や面積そのものを変える登記(分筆や地積更正)とは別物で、あくまで図面の誤りを実際の状態に合わせて正すものです。
地図や公図は土地の位置・区画を示す重要な資料ですが、作成の経緯などから誤りが含まれていることがあります。その誤りを正すのが地図訂正です。実体(土地そのもの)を変えるわけではない点がポイントです。
不動産登記規則16条は、地図に表示された土地の区画または地番に誤りがあるときは、その土地の表題部所有者・所有権の登記名義人、またはこれらの相続人その他の一般承継人が、地図訂正の申出をすることができるとしています。
申出には、次のような情報が必要です。
| 申出に必要な情報 |
|---|
| 申出人の氏名または名称および住所 |
| 申出に係る訂正の内容 |
| 地図等に表示された区画・位置・形状または地番に誤りがあることを証する情報 |
誤りを正す手続なので、「誤りがあること」を証する情報の提供が求められるのが特徴です。
地図訂正は申出によるほか、登記官が地図等に誤りがあると認めるときは、職権で訂正することができます。申出が形式に適合しない場合などには、登記官は理由を付した決定で申出を却下します。
地図訂正は、土地の実体を変えるものではありません。
| 手続 | 内容 |
|---|---|
| 地図訂正 | 図面(地図・公図)の区画・地番などの誤りを正す(実体は変えない) |
| 分筆 | 1筆の土地を複数に分ける(区画を新たに作る) |
| 地積更正 | 登記記録の地積(面積)の誤りを正す |
地図訂正は「図面の誤り」、地積更正は「登記記録の地積の誤り」を正すもので、どちらも誤りを正す点は似ていますが、対象(図面か、地積か)が異なります。分筆は土地の区画を新たに作り出す登記で、誤りの訂正とは目的が違います。
地図・地図に準ずる図面に関する論点として、地図訂正の手続が問われることがあります。「区画・地番の誤りは申出または登記官の職権で訂正する」「地図訂正は分筆や地積更正のような実体を変える登記とは別」という点を、地図(14条地図)と地図に準ずる図面の違いとあわせて整理しておきましょう。
Q. 地図に表示された土地の区画に誤りがあるとき、土地の所有権の登記名義人は地図訂正の申出をすることができる。○か×か。
○。不動産登記規則16条により、表題部所有者・所有権の登記名義人やその相続人等が地図訂正の申出をすることができます。
Q. 地図の誤りは申出によらなければ訂正できず、登記官が職権で訂正することはできない。○か×か。
×。登記官は、地図等に誤りがあると認めるときは、職権で訂正することができます。
Q. 地図訂正は、1筆の土地を複数に分ける分筆の登記と同じ手続である。○か×か。
×。地図訂正は図面の誤りを正す手続で、土地の区画を新たに作り出す分筆とは目的が異なります。
地図訂正は、地図・公図の区画・位置・形状・地番の誤りを正す手続で、表題部所有者・所有権の登記名義人等の申出、または登記官の職権で行われます(不動産登記規則16条)。
土地の実体(区画・面積)を変える分筆・地積更正とは別物である点を押さえておきましょう。
この論点が問われた過去問の解説です(新しい年度から順)。
参考にした資料
・不動産登記規則16条(地図の訂正等)/地図に表示された土地の区画・地番に誤りがあるときは表題部所有者・所有権の登記名義人・その一般承継人が訂正の申出をできること、申出に必要な情報(申出人の氏名住所・訂正の内容・誤りを証する情報)、登記官が職権で訂正できること、を条文で確認
※制度・取扱いは変更されることがあります。最新の情報は法務局・法務省でご確認ください。内容確認日:2026年6月13日。
まちがえやすいポイント
地図訂正は、土地を分けたり面積を変えたりする登記ではありません。あくまで地図・公図に表れた区画・地番などの誤りを、実際の状態に合わせて正す手続です。申出によるほか登記官の職権でも訂正できる点、申出には「誤りがあることを証する情報」が必要な点を押さえましょう。