独学で学ぶ土地家屋調査士

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建物の所在と家屋番号の決まり方|土地の地番との関係(不動産登記法44条・45条)

この記事の要点

建物の所在は、その建物が建っている土地の地番で表します(不動産登記法44条1項1号)。建物そのものに番地があるわけではなく、敷地の地番を借りて位置を示します。

家屋番号は、登記官が一個の建物ごとに付す建物の識別番号で(45条)、原則として敷地の地番と同一の番号です(規則112条)。同じ地番に複数の建物があるときなどは支号で区別します。

建物が2筆以上の土地にまたがるときは、所在に複数の地番を並べて記録します。所在が変わったときは1か月以内の変更登記が必要です(51条)。

建物の表示に関する登記では、その建物が「どこにあるか(所在)」と「どの建物か(家屋番号)」を登記します。どちらも土地の地番と関係が深く、混同しやすいところなので、決まり方を整理しておきましょう。

建物の所在=敷地の地番で表す(44条1項1号)

不動産登記法44条1項は建物の登記事項を定めており、その1号が建物の所在する市・区・郡・町・村・字および土地の地番です。つまり建物の所在は、建物そのものの番号ではなく、建物が建っている土地(敷地)の地番で表します。

土地(地番 ○番) 建 物 所在=○番地 家屋番号=○番 建物は敷地の地番を借りて位置と番号を表す
模式図:建物の所在は敷地の地番で表し、家屋番号も原則として同じ地番の番号になる。

建物が2筆以上の土地にまたがって建っているときは、所在に複数の地番を並べて記録します。このとき、床面積の多い部分(または主たる建物)が所在する土地の地番を先に記録し、ほかの土地の地番を後に記録します(不動産登記事務取扱手続準則88条)。記録の仕方も決まっており、「6番地,4番地,8番地」のように地番を並べ、「6,4,8番地」のような略記はしません。

家屋番号の決め方(45条・規則112条)

家屋番号は、不動産登記法45条により、登記官が一個の建物ごとに付す建物の識別番号です。その付け方は不動産登記規則112条が定めており、原則として敷地の地番と同一の番号とされます。

ただし、次のような場合は、敷地の地番と同一の番号に支号を付すなどして区別します(規則112条1項ただし書)。

場面家屋番号の付け方
原則(1筆の土地に1個の建物)敷地の地番と同一の番号(例:6番地→家屋番号6番)
2個以上の建物が1筆の土地の上にある地番と同一の番号に支号を付す(例:6番1、6番2)など
1個の建物が2筆以上の土地にまたがる支号を付す方法その他の方法による
附属建物がある主である建物の家屋番号に符号を付す(規則112条2項)

家屋番号はあくまで建物を識別するための番号で、土地の地番とは別の概念です。原則として同じ番号になるだけで、必ず一致するとは限りません。

所在が変わったとき=変更登記(51条)

建物を解体せずに引いて動かす「曳行移転」や、敷地の合筆などで地番が変わった場合には、建物の所在も変わります。所在(44条1項1号)に変更があったときは、表題部所有者または所有権の登記名義人が、変更があった日から1か月以内に建物の表題部の変更の登記を申請しなければなりません(不動産登記法51条)。これは表示に関する登記の申請義務のひとつです。

なお、51条の変更登記の対象からは家屋番号(44条1項2号)は除かれています。家屋番号は登記官が定めるものなので、所有者の側が変更登記で書き換えるものではない、という整理です。

過去問での問われ方

令和4年度(午後の部)では、建物の所在および家屋番号について、複数の地番にまたがる建物の所在の記録方法、区分建物や附属建物の所在・家屋番号の取扱い、曳行移転や土地の合筆により所在が変わった場合の変更登記などが問われました。「所在は敷地の地番で表す」「家屋番号は原則として敷地の地番と同一で登記官が付す」という基本を押さえておくと対応できます。

まちがえやすいポイント

土地の「地番」と建物の「家屋番号」は別物です。家屋番号は原則として敷地の地番と同一の番号になりますが、1筆に複数の建物があるときなどは支号で区別され、つねに一致するわけではありません。また、家屋番号は登記官が定めるもので、所有者が申請する51条の変更登記の対象には含まれません(所在の変更は対象になります)。

理解度チェック

Q. 建物の所在は、その建物が建っている土地の地番を用いて表す。○か×か。

○。不動産登記法44条1項1号により、建物の所在は所在する市区町村・字および土地の地番で表します。

Q. 家屋番号は、申請人が自由に定めて申請することができる。○か×か。

×。家屋番号は登記官が一個の建物ごとに付すもので(45条)、原則として敷地の地番と同一の番号です(規則112条)。申請人が自由に定めるものではありません。

Q. 1個の建物が2筆以上の土地にまたがる場合、所在には床面積の多い部分の土地の地番を先に記録する。○か×か。

○。準則88条により、床面積の多い部分(または主たる建物)が所在する土地の地番を先に記録し、他の地番を後に記録します。

まとめ

建物の所在は敷地の地番で表し(44条1項1号)、家屋番号は登記官が一個の建物ごとに、原則として敷地の地番と同一の番号で付します(45条・規則112条)。2筆以上にまたがるときは床面積の多い部分の地番を先に記録し、附属建物には符号を付します。

土地の地番と建物の家屋番号を区別し、所在が変わったら1か月以内に変更登記(51条)という流れをセットで押さえておきましょう。

この論点が出題された過去問

この論点が問われた過去問の解説です(新しい年度から順)。

参考にした資料

・不動産登記法44条1項(建物の登記事項=所在・家屋番号ほか)/45条(家屋番号は登記官が一個の建物ごとに付す)/51条(建物の表題部の変更の登記・1月以内、家屋番号=44条1項2号は除く)を条文で確認

・不動産登記規則112条(家屋番号は敷地の地番と同一の番号・支号、附属建物は符号)/不動産登記事務取扱手続準則88条(2筆以上にまたがる建物の所在の記録順・略記の禁止)を確認

・令和4年度 午後の部(建物の所在・家屋番号)/法務省 公式問題

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

この記事を書いた人

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土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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